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スクリーン
2021.11.18 UP

【SHOWCASE in the Screen】#12. 寺田健人 Kento TERADA《 想像上の妻と娘にケーキを買って帰る Living with my imaginary wife and daughter.》

SHOWCASE in the Screen
2021.11.18ー12.10
#12. 寺田健人 Kento TERADA《 想像上の妻と娘にケーキを買って帰る Living with my imaginary wife and daughter.》

[コンセプト Concept]

ここ数年、多様性、ダイバーシティという言葉をよく目にするようになりました。何事においても多様であることはきっと良いものであると、なんとなくぼんやりと広まりつつあります。家族に関してもそうです。「多様な家族の形がある」言われ、シングルマザーや同性愛の家族がモデルになっているドラマや映画が出て久しいです。現実世界でも実際たくさんの家族の形があるはずです。一方で、父親がいて母親がいて、その二人がロマンティックなラブによって結ばれて、愛し合ってできた子どもがいる、といったような家族が「普通」であり、「規範的」であるという認識はいまだに強固なものなのだと、政治家の発言や、家族の形態に関わる夫婦別姓や同性婚をめぐる裁判を見て感じます。  〈想像上の妻と娘にケーキを買って帰る〉は、いわゆる「普通」の「規範的」な家族を持つ父親を演じ、一人で家族写真を撮ることで、家族におけるパフォーマティブな側面を批判的に捉えようと試みました。また、家族写真の中に余白を持たせて、そこに入るのが誰なのかを想像してもらえるように写真をフレーミングしています。父親は、男性らしくなくたっていい。父親のパートナーは別に男でもいいし、ピンクのおもちゃで遊ぶのは男の子だっていい。結婚するのは番(つがい)じゃなくてもいい。家族という制度が、誰でも入れる箱のようなものであればいいし、そこに入る人たちが性別で役割やらしさを演じなくてよくなればいいと思っています。

[作家について About the Artist]


寺田健人 Kento TERADA

沖縄県生まれ。2017年沖縄県立芸術大学芸術学専攻卒業後、2019年東京藝術大学大学院美術研究科先端芸術表現専攻修了。2021年横浜国立大学大学院都市イノベーション学府博士課程後期(Y-GSC)に入学。現在、東京藝術大学先端芸術表現科教育研究助手。 社会が作り出した「性」や「生まれ」に関する諸規範によって人々の行動・思考が決定されていく「生政治」に関心を持ち、ラディカル・フェミニズムが生み出したテーゼ「個人的なことは政治的なこと」の実践として、主にパフォーマンスと写真を軸にして制作を行なっている。 テーマ:セクシュアリティ、ジェンダー、家族写真、痕跡、フィクション、パフォーマンス

[展示風景 Installation view]
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