ショーケース 上野
2023.06.27 UP
【SHOWCASE UENO】#009. もりかわさく Saku Morikawa《ヤギをかかえる男》
ショーケース上野 SHOWCASE UENO
2023.6.26ー7.21
#009. もりかわさく Saku Morikawa《ヤギをかかえる男》
[コンセプト Concept]
もりかわさんの作品は、ショーケース上野での第9弾となり、油絵や陶器、フェイクの草を組み合わせたインスタレーションです。
ショーケース内の絵画作品には、ヤギとヤギを抱えた男が描かれています。この絵画はキリスト教においてヤギが悪い意味で象徴的な存在であることに触れています。たとえば、マタイによる福音書25章の「最後の審判のたとえ話」では、羊が善行をした者を象徴しているのに対し、ヤギは善行をしなかった者を象徴しています。また、ユダヤ教の伝統では、ヤギは罪の贖罪の儀式で重要な役割を果たしていました。さらに、古代ローマではヤギは欲望と性的快楽の象徴とされ、キリスト教においては悪魔の姿としてツノが描かれることもありました。
しかしながら、ヤギには他の文化や宗教での肯定的な意味合いも存在します。例えば、ギリシャ神話に登場するゼウスの育ての親アマルテイアは牝ヤギとされており、ヒンドゥー教の神シヴァも「ヤギの飼い主」として知られています。また、ミケランジェロやレンブラントの描くギリシャ神話のモーセにもツノが描かれています。
もりかわさんの作品には度々「ツノ」がモチーフとして登場します。「良い部分と悪い部分が如何に共生していくかというテーマで油彩と陶彫刻を軸に作品を作っ ています。
イメージの中で漠然と悪いものとして扱われるもの。例えば宗教の悪魔はツノが生えた 姿で描かれることが多く、「ツノ＝悪い」と言ったような漠然としたイメージがあるように感じます。 だけれど、元を辿るとそれは別の宗教の神様で崇められているものだったり、ツノには神 聖な意味合いがあったりもしました。 それと似たように、生活の中で自分自身の暴力的な考えと自己嫌悪に対しても本当に悪いも のなのかと考えることが最近になって増えてきました。そういったところから「ツノ」や「羊」また、俯瞰の象徴として「窓」などをモチーフとして扱い制作しています。」と語っています。
絵画作品の後ろにはアイビーが生い茂っています。アイビーは古代から存在し、古代ギリシャやローマ時代には建築物や神殿の壁面に植えられ、美しい景観を作り出しました。アイビーは永遠の命や信仰の象徴として重要視され、キリスト教においてもクリスマスの飾り付けや象徴として使用されました。また、アイビーは愛や結びつきの象徴としても知られ、文学作品や詩に頻繁に登場します。
さらに、アイビーは学術や教育のシンボルとしても広く使われています。多くの大学や学校のシンボルやエンブレムにアイビーが描かれ、知識と学問の象徴として認識されています。
そして下を見ると、可愛らしい頭部の焼き物が置かれています。頭からネギや椰子の木のような植物が生えており、こちらを見つめています。今回のショーケースにはヤギ、ヤギを抱える男、何かが頭から生えたひと、アイビー、芝が登場します。それぞれに良い部分と悪い部分があり、それぞれが好き好きに、それぞれ、存在しているのです。（博士課程先端芸術表現科／鈴木萌夏）
[作家について About the Artist]
もりかわさく
2001 東京生まれ
2021 多摩美術大学グラフィックデザイン学科入学
展示歴
2021 「memento mori」（新宿眼科画廊）
2021 「Liquitex the challenge 2021」（三鷹市芸術文化センター）
2022 「五美大交流展 小作品展」（3331 Arts Chiyoda 104ギャラリー）
2022 「3331ART FAIR 2022」（3331 Arts Chiyoda）
2022 「∴」 （多摩美術大学八王子キャンパス）
2022 「長亭gallery展2022」（changthing gallery）
2023 「FACE2023」（SOMPO美術館）
2023 「いい芽ふくら芽 in TOKYO 2023」（大丸東京）
2023 「五美術大学交流展」（銀座洋協ホール）
2023 「ARTISTNEWGATE ファイナリスト展」（あべのハルカス）
2023 「ACTアート大賞展2023受賞者展」（Art Complex Center）
2023 「第41回 上野の森美術館大賞展」（上野の森美術館）
2023 「geisai＃22」（東京ビッグサイト）
受賞歴
2021 「Liquitex the challenge 2021」リキテックス賞大学部門 受賞
2022 「長亭gallery展2022」入選
2023 「FACE2023」入選
2023 「第3回ARTIST NEW GATE」ファイナリスト選出
2023 「いい芽ふくら芽 in TOKYO 2023」アートファクトリー賞,YOD gallery賞
2023 「第41回 上野の森美術館大賞展」入選
2023 「五美交アワード」東京展賞
2023 「ACTアート大賞展2023」優秀賞
2023.6.26ー7.21
#009. もりかわさく Saku Morikawa《ヤギをかかえる男》
[コンセプト Concept]
もりかわさんの作品は、ショーケース上野での第9弾となり、油絵や陶器、フェイクの草を組み合わせたインスタレーションです。
ショーケース内の絵画作品には、ヤギとヤギを抱えた男が描かれています。この絵画はキリスト教においてヤギが悪い意味で象徴的な存在であることに触れています。たとえば、マタイによる福音書25章の「最後の審判のたとえ話」では、羊が善行をした者を象徴しているのに対し、ヤギは善行をしなかった者を象徴しています。また、ユダヤ教の伝統では、ヤギは罪の贖罪の儀式で重要な役割を果たしていました。さらに、古代ローマではヤギは欲望と性的快楽の象徴とされ、キリスト教においては悪魔の姿としてツノが描かれることもありました。
しかしながら、ヤギには他の文化や宗教での肯定的な意味合いも存在します。例えば、ギリシャ神話に登場するゼウスの育ての親アマルテイアは牝ヤギとされており、ヒンドゥー教の神シヴァも「ヤギの飼い主」として知られています。また、ミケランジェロやレンブラントの描くギリシャ神話のモーセにもツノが描かれています。
もりかわさんの作品には度々「ツノ」がモチーフとして登場します。「良い部分と悪い部分が如何に共生していくかというテーマで油彩と陶彫刻を軸に作品を作っ ています。
イメージの中で漠然と悪いものとして扱われるもの。例えば宗教の悪魔はツノが生えた 姿で描かれることが多く、「ツノ＝悪い」と言ったような漠然としたイメージがあるように感じます。 だけれど、元を辿るとそれは別の宗教の神様で崇められているものだったり、ツノには神 聖な意味合いがあったりもしました。 それと似たように、生活の中で自分自身の暴力的な考えと自己嫌悪に対しても本当に悪いも のなのかと考えることが最近になって増えてきました。そういったところから「ツノ」や「羊」また、俯瞰の象徴として「窓」などをモチーフとして扱い制作しています。」と語っています。
絵画作品の後ろにはアイビーが生い茂っています。アイビーは古代から存在し、古代ギリシャやローマ時代には建築物や神殿の壁面に植えられ、美しい景観を作り出しました。アイビーは永遠の命や信仰の象徴として重要視され、キリスト教においてもクリスマスの飾り付けや象徴として使用されました。また、アイビーは愛や結びつきの象徴としても知られ、文学作品や詩に頻繁に登場します。
さらに、アイビーは学術や教育のシンボルとしても広く使われています。多くの大学や学校のシンボルやエンブレムにアイビーが描かれ、知識と学問の象徴として認識されています。
そして下を見ると、可愛らしい頭部の焼き物が置かれています。頭からネギや椰子の木のような植物が生えており、こちらを見つめています。今回のショーケースにはヤギ、ヤギを抱える男、何かが頭から生えたひと、アイビー、芝が登場します。それぞれに良い部分と悪い部分があり、それぞれが好き好きに、それぞれ、存在しているのです。（博士課程先端芸術表現科／鈴木萌夏）
[作家について About the Artist]
もりかわさく
2001 東京生まれ
2021 多摩美術大学グラフィックデザイン学科入学
展示歴
2021 「memento mori」（新宿眼科画廊）
2021 「Liquitex the challenge 2021」（三鷹市芸術文化センター）
2022 「五美大交流展 小作品展」（3331 Arts Chiyoda 104ギャラリー）
2022 「3331ART FAIR 2022」（3331 Arts Chiyoda）
2022 「∴」 （多摩美術大学八王子キャンパス）
2022 「長亭gallery展2022」（changthing gallery）
2023 「FACE2023」（SOMPO美術館）
2023 「いい芽ふくら芽 in TOKYO 2023」（大丸東京）
2023 「五美術大学交流展」（銀座洋協ホール）
2023 「ARTISTNEWGATE ファイナリスト展」（あべのハルカス）
2023 「ACTアート大賞展2023受賞者展」（Art Complex Center）
2023 「第41回 上野の森美術館大賞展」（上野の森美術館）
2023 「geisai＃22」（東京ビッグサイト）
受賞歴
2021 「Liquitex the challenge 2021」リキテックス賞大学部門 受賞
2022 「長亭gallery展2022」入選
2023 「FACE2023」入選
2023 「第3回ARTIST NEW GATE」ファイナリスト選出
2023 「いい芽ふくら芽 in TOKYO 2023」アートファクトリー賞,YOD gallery賞
2023 「第41回 上野の森美術館大賞展」入選
2023 「五美交アワード」東京展賞
2023 「ACTアート大賞展2023」優秀賞