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スクリーン
2023.06.20 UP

【SHOWCASE in the Screen】#22. 伊藤知宏 Chihiro ITO《NEW FLAG for NEW PEOPLE by 伊藤知宏 NEW FLAG for NEW PEOPLE by Chihiro ITO》

SHOWCASE in the Screen
2023.6.20ー7.21
#22. 伊藤知宏 Chihiro ITO《NEW FLAG for NEW PEOPLE by 伊藤知宏 NEW FLAG for NEW PEOPLE by Chihiro ITO》

 

[コンセプト Concept]

A New Flag for New Peopleは、みんなのために旗が振られた明るい未来を想像しています。野菜は、すべての人に恩恵をもたらす根本的なポジティブなエネルギーと健康のシンボルであり、この映像は、私の可能性への希望を伝えるものです。

今日、混沌とした感染症が世界中に蔓延しています。SFの世界だけでなく、こんなことが言えてしまう世界の変容にとても驚いています。私は今ニューヨークにいますが、そこは世界で最もコロナウイルスに汚染された都市の一つです。

コロナウイルスの影響か、この状況ではほとんどスーパーに行かず、週に一度、農家から野菜を送ってもらっています。その野菜の値段は、近所のスーパーとさほど変わりません。この野菜の中には、形が歪なもの、独特の形をしているもの、畑に土がついているものなどがありますが、味は最高です。また、スーパーの野菜にはない有機的な独特の形が、絵を描きたくなるんです。この私の絵のタイトル「隔離された野菜」は、コロナウイルスの影響でほとんど外出しない現在の私のライフスタイルと、これらの野菜の関係から生まれました。

この旗に使った絵は、新鮮な野菜をモチーフに、健康や前向きで過激なエネルギーの象徴として描きました。私たちは今、分断政治による抑圧と、感染症による抑圧の中にいます。その下で、人生に対して良いイメージを持つことは難しい。この作品『New Flag for New People』では、それらから一時的に逃れ、明るい未来を想像することができます。
心の息苦しさを抱えている私たちを、元気にしてくれるのです。そんなことができるように、この作品を作りました。この旗振りは、2020年の10月にニューヨークで行われたものです。

アメリカでは、知り合った人と友達になると、政治的な内容の話をすることが多くなります。政治的な話題がどこかタブー視されている日本と違って、そういう話題を楽しめるというのは、良くも悪くも本当に自由だと思います。
この作品はアメリカだけでなく、コロナウイルスや自国政府のサポートの悪さなどであまり前向きでない世界中の友人にも送ろうと思っています。

と、当初はこれらの理由から始めたこのプロジェクトですが、世界中の友人らを応援するために、今も続けています。


同時上映短編:

● ISLAND PIECE (2022/1min) 
これは隔離をテーマにした私の短編実験詩映画「ISLAND PIECE」 です。この詩的実験映像は、私の友人であるブラッドリー・エロスやオノ・ヨーコ、そし て私の友人たちからインスピレーションを受けています。

● Last interview film of Jonas Mekas (2019/15min) 
これはジョナス・メカス最後のインタヴューフィルムだ。 そして、彼から私たちへの最後の贈り物だ。
INTERVIEW: JONAS MEKAS 
DIRECTION & FILM: Chihiro ITO 
INTERVIEWER, EDIT, DRAWING: Chihiro ITO 
THANKS: Jeffrey Parkins, Kaori ITO, Matt Mottel, Yoichi Kamimura , microscope gallery

[作家について About the Artist]



伊藤知宏(いとうちひろ)プロフィール
1980年生まれ。画家、現代美術家、フィルム・メーカー。東京都出身。日本政府から助成金を得てNYへ渡米。武蔵野美術大学卒業。

阿佐ヶ谷アートストリートでは谷川俊太郎・賢作氏らとコラボレーション。
2018年の渡米中に実験映画の父、ジョナス・メカスに出会い強い影響を受け、以後は実験映像や詩の制作により力を入れるようになる。

欧州文化首都招待芸術家(ポルトガル、キプロス、セルビア、リトアニアなどで活動)を経て現在はNY在住。
NYのロバート・ラウシェンバーグ財団やザ・ポエトリー・プロジェクト、エリザベス・ファンデーション・フォー・アーツやNYファウンデーション・フォー・アーツ、モニラ財団などから受賞。NYのガバナーズ島でブロンクス・アート・センターの協力で、滞在制作。ホルベインスカラシップ、文化庁新進芸術家海外研修制度受賞。

近年は野菜、花、音やその場所にあるものをモチーフに“そこにあるものをえがく”と題して絵を描き、ギャラリー、美術館、畑などでも作品展を行う。

アンソロジー・フィルム・アーカイブス(USA)やUCLA音楽図書館(USA)などに作品が収蔵。

作家WEBSITE

[展示風景 Installation view]



[イベント Events]

6/20からNYのStephen Street galleryで、8月にNYのオークション会社Christie'sのGalleryで展示会。ホルベイン画材株式会社とEU Japan Festのサポートでガバナーズ島(NY, USA)とSokolski Dom(Serbia)でワークショップを開催
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