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ショーケース
2026.10.01 UP

#50. オウ ジンウェイ / OU JINGWEI《海と手のあいだ / Between the Sea and Hands》

ショーケース SHOWCASE directed by Ozawa Tsuyoshi
2026.10.1ー2026.11.22
#50. オウ ジンウェイ / OU JINGWEI《海と手のあいだ / Between the Sea and Hands》

 

[コンセプト concept]

海辺に座り、波の音に耳を澄ますと、呼吸が海のリズムと同調していく。

水平線の向こうに目を凝らす。目の届かないところで、いったい何が起きているのだろう。

海から来た流木は、いくつもの波を越え、やがて浜にたどり着く。
海のすべてを知っている。

散歩していた私は、それと出会った。

 

 

[アーティスト・プロフィール profile]



欧静薇. オウ ジンウェイ

2001 中国広東省生まれ
2023 中国中央戯劇学院 卒業
2024 東京藝術大学大学院 美術研究科 GAP専攻 入学

 

 

[キュレーターから]

本作は、布の上に配置されたガラス瓶によって構成される。流木でつくられた魚骨形を収めた瓶(5点)、ゼラチンを収めた瓶(1点)、砂を出す瓶(1点)から成る。

ガラス瓶は、作家の故郷にある海産物乾物店の陳列から着想を得ている。もともと食品サンプルの展示に用いられてきたショーケースに置くことで、魚と木を余すところなく利用してきた日本沿岸地域と、中国・広東省という二つの海洋文化のあいだに潜む、日常的かつ歴史的な連続性が浮かび上がる。両地域では、海の恵みを糧とし、木材を舟へとつくり替え、海へ漕ぎ出すことで生活を築いてきた。広東の文化には、魚のあらゆる部位を栄養源として活用する知恵が根づいており、魚骨は廃棄物でありながらゼラチンの原料としての有用性もあわせ持つ。

魚骨からゼラチンへ、そしてゼラチンが流木を接着し舟を形づくるという変化は、砂が象徴する海を介して沿岸地域を結びつけてきた歴史そのものだと言える。流木で象られた魚骨形は、かつて魚も流木も海の中で動いていた記憶を帯びながら、瓶に閉じ込められることでその動きを奪われ、海へ戻る自由を失った姿も示している。

これらの素材と形態の変遷は、海を越えて続いてきた変容と交換の歴史を静かに語りかける。

キュレーター:リ・アンチー
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